間違いだらけのCT選び 2008.9.16
現在使用しているCTは当院では二代目のEμ(GE横河メディカル社製)ですが、購入後ほぼ10年経過したことで最近では少々時代遅れとなったこともあり更新を検討することとしました。
1)更新機器選定候補
現在国内で販売されているCTで当院のような診療所での利用に適したと思われる機種から
1.購入価格
2.保守費用
3、管球交換時費用
4.電源容量
5.最小設置面積
等々の条件で各社の機種を検討しました。
国内各社のCTの資料から日立には当院のような診療所向けの機種はなく4列が最小構成であり設置面積、電源設備費用、管球価格などから不適と判断、島津には新規CT開発予定はみられないようでしたのでこの2社からは見積りから除外としました。
候補を1.GE横河メディカルヘルスケアー(New Prospeed マルチスキャン
2.東芝メディカル(Asteion VP) シングルスキャン
3.シーメンス(SOMATOM Spirit) マルチスキャン
として各社の営業担当者からお勧め機種についての説明を受けました。
シーメンスは価格が高いことに加えて、ソフト(3Dカラー表示はオプション等)面や必要設置面積が当院には少々大きすぎるかと思われまず候 補から外しました。
(装置の概観はこれまでのCTと異なり斬新で格好良いのですが残念!)
最終的にはGEのマルチ(デュアル)スキャンか東芝のシングルスキャンかの選択となりました。
東芝は今流行のマルチスキャンではなく旧来のシングルスキャンですが価格的にはそれなりに安い
見積もり提示がありました。
また、スキャン時間、画像構成時間、本体磁気ディスク保存容量、外部保存メディア 三次元画像
処理等各点についても両社の担当者から説明を受け比較検討しました。 これらはGEが優位かとも
思われましたが、当院での使用ではその差はあまり問題ないものと判断しました。
2)購入機種をGEに決定
最終見積もり提示ではGEの頑張り?もありGEと東芝の価格差はかなり縮まり東芝が200万円位安価な提示となりました。価格のみでは東芝なのですが現在の診療保険点数でGEにはマルチスライス加算が算定出来ることからもう少し考えてみました。デュアルスキャン機種にも認められているマルチスライス加算の行方は不明ですが、現行の算定基準は再来年の3月までは継続されますので、その後もし適応廃止にになったとしてもそれまでの加算である程度償却可能と思われます。
次回改定でもマルチスライス加算適応が継続されれば加算額が多少減っても価格の穴埋めには十分しょう。
もう少し価格差があれば間違いなく東芝を選択していたように思いますが、シングルスキャンというハンディを克服する価格提示はありませんでした。。
(40件/月 年間480件 であれば1900円×480=91.2万円/年の加算額となります。)
当院より検査件数が多い医療機関では東芝のシングルを購入するメリットは患者負担が少し安価であるという以外にはあまり無いと思います
保守制度はGEには「管球代の前払い」になる検査一件についての定額費用が必要な保障制度があり,一見したところでは高額とも思われますがその他の保守費用が不要なことを考えますと決して高いとは思われず、管球が切れた時に管球代の全額が自己負担となる東芝の制度とはどちらも最終的にはあまり出費額に差は無いのかとも思われました。
電源は現在のEμは単相200V仕様ですが何れの機種でも三相200V 50KVAが必要なためトランス交換が必要で約100万円の出費となりました。GEは30KVAでも可能だが価格は同じとのことでした。
以上より、Image MAX 、Eμについで3代目のCTもGE製となりました。
機種選定が少し遅れたための新機種の設置は11月8日現在のEμの撤去、9日搬入設置、10日、11日調整、12日より稼動予定と決まりました。
写真追加 2008.11.12